こびとのへや・プレピアノクラス開講にあたって

「こびとのへや」とはどういうクラスかご説明する前に、簡単に私の音楽との出逢いをお話します。

【子ども時代・音楽との出逢い】

私の両親は音楽が好きでした。母はいつも家事をしながら歌を歌っていて、物心つく前から私は母の背中で子守歌を聞いて育ちました。

父もかなりいい声のテノールで、先生についてドイツリートを習ったりしておりました。

そんな両親の希望で私は幼い頃から音楽教室に通っていました。

けれど実は幼い頃の私は人見知りで、グループに馴染めず、あまり音楽教室は好きではありませんでした。

でも音楽は大好きでした。

小学校に上がると、ピアノの先生をしていた叔母に個人レッスンを受けるようになりました。

その頃叔母の言った「理美は才能があるよ!」というひと言を真に受け、私の道は音楽の方に向いたのです。

2年生の時には作文に「ベートーヴェンのような音楽家になりたい」と書いていました。

間もなく近所の評判のいい先生のところにお世話になることになり、私のピアノ・ライフが始まりました。

【シュタイナー教育との出逢い】

子どもの頃から音楽が好きで、迷うことなく音楽の道を歩いてきた私ですが、

音楽教育を学んでいた教育大時代に、1つの指針となる思想に出会いました。

「魂の教育」と言われるシュタイナー教育です。

幸い私はいい先生に恵まれ、ピアノが大好きになりましたが、私が子どもの頃は間違えたら定規で手をピシっと叩かれる、といった話をよく聞く時代でした。そして私の中には、それは違うだろうという思いがずっとありました。音楽は心の表現。心を豊かにしてくれるもの。決して先生の言われたとおりに間違えずに弾くのが音楽ではない、「喜び」のない音楽は考えられない、と思ってきました。

学生時代に授業の中で紹介されたシュタイナー教育は、まさに私が求めていたものでした。シュタイナー学校では音楽は全ての教科の中で使われています。算数の時間も国語の時間も、まず笛を吹いたり歌ったりすることから始まります。それは児童期の子どもたちには「美しいもの=芸術」を通して学ぶのが最もふさわしいという思想に基づくものでした。

子どもが生き生きと、喜びをもって学ぶ音楽。これこそ私の求めていた教育法だ、と興奮したことを覚えています。

大学を出てすぐに結婚、出産と続き、二人目の子が生まれてからは2年ほど、仕事も中断せざるを得なくなりました。

けれど折をみては子どもたちを母に預け、勉強会に出かけたものでした。

そして学べば学ぶほど、シュタイナー教育の魅力に取りつかれていきました。

それぞれ2週間足らずですが、本場ドイツでの研修にも4回ほど参加しました。それらは素晴らしい体験でしたが、

日本の子育ての現実の中ではなかなか真似できないことも多々ありました。

【こびとのへや開講のいきさつ】

そんなある日、日本で長年幼稚園の園長をされ、今は神業でライアーという楽器を奏でて全国を飛び回っておられる

池末みゆき先生と出会います。先生は長年の保育の現場で、シュタイナー教育を日本の子どもたちに分かりやすく実践してこられた

方で、日本のわらべうたや童謡で楽しい音楽遊びの数々を創ってこられました。これまでドイツの輸入ではどうもしっくり

こなかったのですが、池末先生の講習会に何度か参加するうちに、見えてくるものがありました。これなら、うちに来てくれている

子どもたちに伝えられる、そう確信できたある日、思い切って自宅に「ピアノのへや・こびとのへや」の看板を挙げたのでした。

年月を経て今は、ドイツのシュタイナー教育にとらわれることなく、日本の現代の子どもたちに合った仕方を模索するようになりました。

目の前の子どもたちに何が必要か、それが私にとって問題になりました。

私の願いはうちに通う時間が、子ども時代の良き思い出となり、またひとりひとりが一生傍らに音楽のある豊かな人生を歩んで欲しいということです。子どもたちが音楽と幸せな出逢いをして欲しい、そう願って「こびとのへや」を始めたのです。

【こびとのへや・プレピアノクラス開講のいきさつ】

何年ピアノを教えていても、出逢う生徒さんは様々で、時代もどんどん変わります。本質的なことは変わらないとしても、私たち教師は常に学んでいく必要があり、度々セミナーに出かけます。世の中には本当に熱心にピアノ教育のことを研究しておられる先生方がたくさんおられて、頭が下がります。私もご縁のある生徒さん方の為に、日々尽力していくつもりです。

そんな中で最近、また新たな出逢いがありました。「ピアノランド」という教材を書いておられる樹原涼子先生です。「ピアノを教えるっとこと・習うってこと」などの著書は読んでいましたが、先日直接講習を受ける機会がありました。作曲もなさる、とてもチャーミングで魅力的な先生です。先生の教材はピアノを弾くことを「見る」「理解する」「弾く」「聴く」の4つのプロセスに分け、どの能力もまんべんなく育てようという観点で教材を作っておられます。本当に音楽を愛する生徒を育てたい、自分の頭で考え、心で感じ、テクニックを使い分ける生徒を育てたい、というコンセプトにとても共感し、早速教材を研究させていただきました。そして、これまでシュタイナー教育をヒントに組み立ててきた「こびとのへや」のレッスンにこれらを加えたら、子どもたちがピアノという楽器を始めるのにふさわしいクラスができるのでは、と閃いたのです。(お断り;「ピアノランド」の正式なコースを受講したわけではありません)

これまでは、「こびとのへや」を卒業された方にはすぐピアノの個人レッスンをさせていただいていましたが、最初のうちはグループで学ぶほうがいい要素が多いと感じるようになりました。脱力のしかた、指の使い方、音符の読み方などは1対1でやるより、お友だちとゲーム感覚で覚えていくほうが楽しく身に付くように思います。

対象は年長さんから1~2年生くらい。2名以上で開講します。「こびとのへや」の子どもたちとの出逢いと、新しい教育法との出逢いで閃いたこのクラス。やりたいことがたくさん浮かんできて、今からワクワクしています。

2014年10月から、まずは隔週で月曜日に開講します。火曜日・土曜日も検討中です。

子どもたちの音楽との幸せな出逢いを、少しでもお手伝いすること。これが私の使命なんだと思うこの頃です。

お知り合いの方でご興味のある方がおられましたらぜひ、お声かけください。

2014年9月  ピアノのへや・こびとのへや 斉藤理美

 



 

 

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