楽器の話

2016-04-23

今日は楽器のことを書きます。

私が子どもの頃は、電子ピアノというものがほとんど出回っておらず、ピアノを習うには本物のピアノかオルガンを買ってもらうしかありませんでした。私も幼い頃は足踏みオルガンで練習していました。小学生になってピアノが大好きになったある日、父が本物のピアノを買ってくれました。それは優しい木目の背の低いアップライトピアノで、家中跳ね回って大喜びしたものです。

さて、昨今は住宅事情もあり、また性能が良くなったこともあって、電子ピアノで始められる方が増えています。けれども再三お伝えしているように、ピアノという楽器の心臓部は鍵盤ではなく、鍵盤に連動してハンマーが弦を打って音を出す内部なのです。鍵盤と電子音でピアノの音を模倣した電子ピアノは、まがいものでしかありません。アコースティックピアノは指のタッチひとつで音が変わり、またその響きは弾いている人の身体や部屋全体に伝わります。電子ピアノにはそういった音のバイブレーションはありません。「形」としての音楽はできますが、「心」を伝えるという意味では大いに不足です。だいたい、電子ピアノだと私でも長時間弾く気にはなれません。疲れてくるのです。他にもアコースティックの良さはたくさんあります。

この1年で何人かの生徒さんが本物のピアノを買ってもらいました。その子たちは例外なく、めざましく伸びています。みんな、練習に対する姿勢が全く違ってきています。いい楽器はその子から音楽を引き出してくれます。決して安い買い物とはいえませんが、ピアノと親友になる第一歩は楽器です。

今一度、お考えになってはいかがでしょうか?



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